私達は、ギター、ウクレレの制作活動を始めて7年、CFRP、GFRPの修理・改造に携り35年。
Made in Japan のフルカーボン製ギター・ウクレレを世の中の多くの方に知って使って頂きたいという思いで日々制作活動に励んでおります。
日本には古来より炭の文化がある。ある時は煮炊きの燃料となり、またある時は手紙や書物を書く為のインクとなり、侍は切腹する前に墨で辞世の句をしたため、彼らの魂とも呼べる日本刀の材料となる玉鋼には純度の高い炭が含まれている。
宮大工が材料に鋸やノミを入れる時に印をつけるのもまた墨である。この墨を特殊な加工により、繊維状にして織りあげた生地がカーボン繊維と呼ばれる素材である。カーボン繊維は樹脂と融合し高圧を加えられカーボンと呼ばれるものに生まれ変わる。
「炭丸」ブランドの楽器たちを発案から製品になるまでじつに5年の歳月をかけ、たった一人で作り上げた男もまた「炭」の魔力に魅了された一人である。彼は長年ハルと呼ばれるヨットの船体の製造と補修に携わってきた。とりわけヨット界最高峰のアメリカズカップのハルともなると、極限の軽さ、強度が求められる。全長80フィート(24.4m)以上もの巨体が時速40ノット(時速 74.08km/h)で順位を争う壮絶な世界。実はこのレース艇のハルもセールも炭でできている。人の命を預かる船体を作る、言わば炭のエキスパート。
「炭丸」ブランドのウクレレやギターにはその長年培われた炭と船体製造の技術がふんだんに注ぎ込まれている。驚くほど軽く、鉄の10倍近い強度を持ち、温度、湿度の影響も殆ど受けない究極の素材。そして、カーボンに更に特殊な積層処理を加えることにより、倍音、つまり雑味の少ないピュアサウンドと響くほどのサスティーンを全音域に渡り実現した究極の楽器。それが音楽家という現代の侍の為に用意された日本刀、否。「炭丸」なのである。